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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻6号

2011年05月発行

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文献紹介 転移性メラノーマにおいてイピリムマブは生存率を向上させる フリーアクセス

著者: 福田桂太郎1

所属機関: 1慶應義塾大学

ページ範囲:P.426 - P.426

文献概要

 StageⅣのメラノーマは,平均生存期間が9か月と極めて予後不良である.今までにダカルバジン(DTIC)と比較して有意に優れた生存率を示した第Ⅲ相臨床試験はなく,約30年間,DTICが第一選択薬として用いられ続けているが,その有効期間中央値は4~6か月にすぎない.現有の化学療法には限界があり,新たな治療戦略を考案する必要がある.

 癌細胞は,増殖の過程で免疫抵抗性や免疫抑制性を獲得する.イピリムマブ(Ipil)はT細胞表面上のCTLA4に結合して細胞傷害性Tリンパ球の活性化の制御を解除し,免疫でがんを排除させる薬剤である.第Ⅱ相臨床試験で,Ipilはメラノーマ関連抗原gp100のワクチンとの併用にて56例中7例(13%)にCR,PRが得られ,7例中5例に効果が24か月以上認められたことから,第Ⅲ相試験へと進んだ.本論文は13か国共同で行われた第Ⅲ相試験の結果である.

参考文献

Hodi SF, et al:Improved survival with ipilimumab in patients with metastatic melanoma:N Engl J Med 363:711-723, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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