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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻7号

2011年06月発行

症例報告

神経Sweet病の1例

著者: 渡部梨沙1 田中智子1 上田暢彦1 佐藤貴浩1 横関博雄1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院皮膚科学分野

ページ範囲:P.492 - P.496

文献概要

要約 46歳,女性.2005年に発熱,複視,記銘力低下,失行,失算が出現し,頭部MRIで左側頭葉にT2高信号域を認めたが,経過観察のみで症状軽快した.2006年に発熱,咽頭痛,関節痛,複視とともに顔面,手指,両下腿に有痛性の浸潤性紅斑が出現した.病理組織で真皮上層から中層にびまん性に好中球浸潤を認め,Sweet病と診断した.HLA-B54陽性であった.その後,経過観察中に一過性の複視が出現した.2007年11月下旬より,感冒症状を契機に抗生剤投与により軽快しない発熱,頭痛,口腔内アフタ,両膝に有痛性の紅斑が出現した.入院後に全身性痙攣がみられ,髄液検査で細胞数の増加,頭部MRIで中脳背側にFLAIR高信号域を認めた.ステロイド1mg/kg/日の全身投与により皮膚および神経症状は軽快した.以上より診断基準を満たし,神経Sweet病と判断した.その後,HLA-Cw1陽性であることが判明した.

参考文献

1) Sweet RD:Br J Dermatol 76:349, 1964
2) Hisanaga K, et al:Arch Neurol 56:1010,1999
3) Hisanaga K, et al:Neurology 64:1756, 2005
4) 久永欣哉:神経内科 64:121, 2006
5) 山下謙一郎,他:神経内科 64:132, 2006
6) 遠藤一博,他:神経内科 64:127, 2006
7) Kokubo Y, et al:J Neurol Neurosurg Psychiatry 78:997, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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