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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻7号

2011年06月発行

文献概要

症例報告

全身性強皮症とANCA関連腎炎で加療中に汎発性膿疱性乾癬を合併した1例

著者: 上原顕仁1 長谷川道子1 永井弥生1 田村敦志1 石川治1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学

ページ範囲:P.501 - P.504

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要約 50歳,女性.37歳時に全身性強皮症と診断され,45歳時ANCA関連腎炎を合併し加療開始した.2009年5月より軀幹,四肢に膿疱を伴う紅斑が出現した.ジルチアゼム塩酸塩による急性汎発性発疹性膿疱症と考えプレドニゾロン(PSL)40mgに増量し改善したが,12.5mgまで減量したところで再燃した.臨床経過および病理組織学的所見より汎発性膿疱性乾癬と最終診断した.PSL 20mgとシクロスポリンも併用したが,皮疹の拡大は止まらず,ステロイドパルス療法にて皮疹は消退した.その後,慢性腎不全の急性増悪,消化管穿孔も合併し,敗血症のため永眠された.膠原病および類縁疾患と膿疱性乾癬との合併は稀ではあるが,偶然以上の頻度ともされている.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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