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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻7号

2011年06月発行

文献概要

症例報告

関節リウマチにアダリムマブ投与後より乾癬様皮疹を生じた1例

著者: 野村みずほ1 洲崎玲子1 石崎純子1 田中勝1 神戸克明2 照井正3

所属機関: 1東京女子医科大学東医療センター皮膚科 2東京女子医科大学東医療センター整形外科 3日本大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.509 - P.513

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要約 57歳,男性.2008年12月から2009年3月まで,関節リウマチに対しアダリムマブ(ヒュミラ®)を2週間ごとに計8回投与した.2009年4月より頭部,軀幹,四肢に鱗屑を伴う紅斑が出現し当科を受診した.病理組織学的には角層肥厚および不全角化,表皮突起の延長,真皮乳頭の上方への延長,乳頭の浮腫と炎症細胞浸潤,Munro微小膿瘍を認めた.アダリムマブ投与を中止しステロイド内服および外用にて一時改善傾向を示した.その後皮疹が再燃したが,シクロスポリン内服にて軽快した.後日施行したアダリムマブのリンパ球幼若化試験はstimulation index 607%と陽性であり,乾癬型薬疹か,乾癬の発症か疑問が残った.また,アダリムマブは乾癬の治療薬として注目の高い生物学的製剤の1つであり,逆説的ともいえるこの副作用について検討した.

参考文献

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2) 小寺雅也,佐藤伸一:医学のあゆみ 230:758, 2009
3) 照井 正:日皮会誌 117:2364, 2007
4) 藤本 学:リウマチ科 41:188, 2009
5) Lowes MA, et al:J Invest Dermatol 128:1207, 2008
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9) Bettelli E, et al:Nature 453:1051, 2008
10) Pichler WJ, Tilch J:Allergy 59:809, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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