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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻7号

2011年06月発行

症例報告

皮膚浸潤にて再発を繰り返した鼻腔原発NK/T細胞リンパ腫の1例

著者: 高坂美帆1 伊東慶悟1 川瀬正昭1 石地尚興1 中川秀己1 小笠原洋治2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 2東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科学教室

ページ範囲:P.539 - P.543

文献概要

要約 49歳,男性.2008年11月鼻閉を主訴に当院耳鼻科を受診し,鼻腔の生検にてNK/T細胞リンパ腫と診断された.2009年3月から当院血液内科にて化学療法と放射線療法を施行後,再発を認めていなかった.同年5月から両下腿に浸潤性紅斑が出現し,7月より熱感を伴うようになったため近医を受診し,NK/T細胞リンパ腫の皮膚浸潤の疑いにて当科を紹介受診した.皮膚生検組織像では,真皮全層の血管および付属器周囲に結節状の細胞浸潤があり,皮下脂肪織内にも腫瘍細胞が浸潤し,小葉性脂肪織炎様組織像を呈していた.免疫組織染色では,CD56(+),グランザイムB(+),EBER(+)であったため,NK/T細胞リンパ腫の皮膚浸潤と診断した.化学療法にて寛解導入した後に,末梢血幹細胞移植を施行したが,移植後71日目に再発が確認され現在も治療中である.

参考文献

1) Chan JKC, et al:In WHO classification of tumours. Pathology and genetics of tumors of haematopoietic and lymphoid tissues, IARC Press, Lyon, 204, 2001
2) Yamaguchi M, et al:J Clin Oncol 27:5594, 2009
3) Jaffe ES, et al:Am J Surg Pathol 20:103, 1996
4) Iwatsuki K, et al:Arch Dermatol 133:1081, 1997
5) Ishihara S, et al:Int J Hematol 72:223, 2000
6) 米田明弘,他:皮膚のリンフォーマⅩⅧ,p54, 1999
7) Egashira M, et al:Blood 93:599, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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