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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻8号

2011年07月発行

文献概要

症例報告

慢性活動性EBウイルス感染症を合併した重症型種痘様水疱症の1例

著者: 水野冴岐1 山田英明1 尾上ひろみ1 堀和彦1 松本孝治1 竹内常道1 和田靖之2 高桜芳郎3

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属柏病院皮膚科 2東京慈恵会医科大学附属柏病院小児科 3高桜内科胃腸科

ページ範囲:P.573 - P.576

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要約 8歳,男児.生後数か月より発熱を繰り返し,5歳より咽頭痛が持続しているが,細菌感染症や急性ウイルス感染症を支持する検査結果は得られなかった.6歳より夏期,日光曝露後に露出部に萎縮性瘢痕を残して治癒する丘疹が出現するようになった.蚊アレルギーなし.末梢血中の異型リンパ球や肝機能障害は認めず,赤血球中プロトポルフィリンは正常だった.皮疹の特徴や,Epstein-Barr(EB) virus encoded small nuclear RNAが痂皮,皮疹への浸潤細胞ともに陽性であることは種痘様水疱症に一致し,さらに繰り返す伝染性単核球症様症状と末梢白血球中のEBウイルスDNA高値(4.6×104コピー/1,000,000白血球)より慢性活動性EBウイルス感染症を合併した重症型種痘様水疱症と診断した.遷延する伝染性単核球症様症状に続き,露出部に瘢痕を残して治癒する皮疹が出現するようになった場合は,重症型種痘様水疱症を鑑別する必要があると考える.

参考文献

1) Iwatuski K, et al:Arch Dermatol 142:587, 2006
2) 岩月啓氏,他:日小皮会誌 26:138, 2007
3) Okano M, et al:Am J Hematol 80:64, 2005
4) 池谷敏彦,他:日皮会誌 101:1423, 1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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