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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻8号

2011年07月発行

文献概要

症例報告

ポリアクリルアミド(アクアミド®)注入によって生じた異物肉芽腫の1例

著者: 湊はる香1 柏原万理2 若狭朋子3 堀口裕治1

所属機関: 1大阪赤十字病院皮膚科 2登美ヶ丘皮膚科 3大阪赤十字病院病理部

ページ範囲:P.603 - P.606

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要約 67歳,女性.左下顎部の炎症性粉瘤の診断で外科的処置を加えたところ,同部周囲に弾性硬の硬結と凹凸不整の紅斑が残った.病理組織像では真皮全層に拡張した血管に富む線維化および肉芽腫の形成を認め,また真皮深層には好塩基性の異物が大小の集塊をなしており,異物を貪食した組織球と多核巨細胞も認められた.問診により約3年前に両側口角から下顎にかけて皮下に充塡剤としてポリアクリルアミド(アクアミド®)を注入したことが判明したため,ポリアクリルアミドによって生じた異物肉芽腫と診断した.トラニラストの内服とテラコート・リル軟膏®の外用にて徐々に硬結は軽快した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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