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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻8号

2011年07月発行

文献概要

症例報告

陰囊に線状配列した疣状黄色腫の1例

著者: 鴇田真海1 高木奈緒1 尾上智彦1 佐々木一1 堀田健人1 本田まりこ1 中川秀己2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科青戸病院 2東京慈恵会医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.615 - P.618

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要約 66歳,男性.初診の10か月前より陰囊正中部に自覚症状のない紅色疣状丘疹が出現した.徐々に増大し列序性となり,一部が隆起してきたため受診した.初診時,0.5~1.5cm大の表面顆粒状,弾性軟,一部黄色調を呈する紅色腫瘤および丘疹が陰茎部から陰囊中央部,肛門部にかけて線状に配列しており,病理組織像から疣状黄色腫と診断した.また,病変部よりヒト乳頭腫ウイルスは検出されなかった.本邦で報告されている陰囊発症例は単発例が多く,多発例はまれである.丘疹部,腫瘤部の生検像より,発症要因としては表皮増殖と泡沫細胞浸潤の両者が相互に助長しあって進行することが示唆された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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