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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻8号

2011年07月発行

文献概要

症例報告

Bazin硬結性紅斑様の皮下硬結を呈したMycobacterium intracellulare感染症の1例

著者: 春山興右1 伊藤えりか1 宗次太吉1 大久保佳子1 高河慎介1 沢田泰之1

所属機関: 1都立墨東病院皮膚科

ページ範囲:P.629 - P.632

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要約 83歳,女性.慢性C型肝炎および糖尿病にて加療中である.父親に肺結核の既往がある.3年前から両側下腿に圧痛を伴う貨幣大の暗紅色の皮下硬結が出現し,次第に増加,拡大してきた.Bazin硬結性紅斑を疑い皮膚生検を施行したところ,病理組織学的に類上皮細胞性肉芽腫を認めたほか,ツベルクリン反応およびQuantiFERON@TB-2Gも陽性であった.しかし,同部の組織培養にてMycobacterium intracellulareが検出された.原発となる感染巣の存在を疑い全身精査を行ったところ,CT上右中葉外側肺野に細気管支炎像を認め,胃液培養にて同菌が検出された.また,肝細胞癌および乳癌の合併も認めたため,糖尿病および多重癌による易感染性が誘因となった肺原発の播種型M. intracellulare感染症と診断した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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