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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻9号

2011年08月発行

文献概要

今月の症例

線維上皮性間質ポリープ(fibroepithelial stromal polyp)の1例

著者: 泉祐子1 幸田公人1 伊東慶悟1 中川秀己1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科

ページ範囲:P.654 - P.658

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要約 24歳,女性.16歳時に左大陰唇の腫瘤を自覚し,徐々に増大したため,2009年12月に当科を紹介され受診した.初診時左大陰唇に122×65mm大の有茎性,多房性の常色腫瘤を認めた.下腹部造影CTでは骨盤内腫瘤性病変を認めなかった.2010年2月,皮膚腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的に葉状発育を示し,重層扁平上皮に覆われ,表皮に対して垂直に走行する血管を有し,周囲に大小さまざまな血管が増生していた.紡錘形のstromal cellと膠原線維の増生がみられ,核異型や核分裂像は認めなかった.CD34,ビメンチン染色,エストロゲン受容体染色,プロゲステロン受容体染色陽性であり,線維上皮性間質ポリープと診断した.女性ホルモンによる腫瘍増大が示唆された.外陰部の軟部腫瘍は,頻度は低いが,部位特異性が高く,各疾患の特徴を知っておく必要がある.

参考文献

1) Nucci MR, Fletcher CD:Histopatology 36:97, 2000
2) Nucci MR, et al:Am J Surg Pathol 24:231, 2000
3) McCluggage WG:Histopathology 54:156, 2009
4) Hartmann CA, et al:Am J Clin Pathol 93:604, 1990
5) 横山幸代,他:日婦腫瘍会誌 25:291, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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