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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻9号

2011年08月発行

文献概要

症例報告

内服終了翌日に発症したセレコキシブ(セレコックス®)による多形紅斑型薬疹の1例

著者: 西尾栄一1 金子夏美1 大口亮子1 森田明理1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科学

ページ範囲:P.668 - P.671

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要約 66歳,女性.右2指の関節炎に対してセレコキシブ,テプレノンを内服していた.これらの内服終了翌日,市販薬の内服後に体幹,四肢などに紅斑が出現し拡大してきたため発症3日後に当科を初診した.当初ウイルス感染による多形滲出性紅斑,市販薬による薬疹などを考えた.プレドニゾロン,塩酸オロパタジンの内服と吉草酸ジフルコルトロンの外用にて1週間程度で紅斑は消退した.その後関節痛が再発し,自己判断にてセレコキシブとテプレノンを内服したところ,数時間後に背部,臀部,上肢などの紅斑と口唇の浮腫が出現した.初診時と同様の治療にて10日程度で紅斑は消退した.パッチテストではセレコキシブで陽性,テプレノンは陰性,DLSTはセレコキシブ,テプレノンとも陰性であった.セレコキシブによる薬疹の本邦報告は自験例を含めてこれまでに11例あり,これらにつき文献的考察を加えた.

参考文献

1) 出口順啓,他:皮膚臨床 50:1654, 2008
2) 花川博義,他:臨皮 62:804, 2008
3) 秋月正史:日本医事新報 4385:69, 2008
4) 山本三幸,他:皮膚臨床 52:839, 2010
5) 高野裕子,他:皮膚病診療 32:847, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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