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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻9号

2011年08月発行

文献概要

症例報告

軀幹,四肢に著明な皮膚硬化を伴った好酸球性筋膜炎の1例

著者: 久保田恭子1 石黒直子1 速水千佐子1 青木聡子1 大谷敏嘉2 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2さいたま記念病院内科

ページ範囲:P.681 - P.684

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要約 76歳,女性.初診の1年半前より始めたダンベル運動を週1回継続していた.7か月前より両前腕の腫脹が出現した.初診時,四肢のほか,頸部や軀幹にも紅褐色斑と光沢を伴う,やや深く触れる皮膚硬化を広範囲に認めた.両前腕では腫脹と熱感も認めた.手指の硬化,Raynaud症状や爪郭部の出血点はなかった.血液検査では好酸球数の軽度増多,赤沈亢進があり,抗セントロメア抗体,抗Scl-70抗体,抗ss-DNA抗体は陰性であった.前腕からの生検病理組織像では真皮,脂肪織の血管周囲にリンパ球を主体とし,好酸球を混じる炎症細胞浸潤とリンパ球浸潤を伴う筋膜の肥厚を認めた.両前腕・腹部MRI脂肪抑制T2強調画像にて筋膜に高信号を認め,筋膜炎の存在を確認しえた.治療は,プレドニゾロン30mg/日にて腫脹,熱感は速やかに消失し,皮膚硬化も著明に改善した.軀幹,四肢に著明な皮膚硬化をきたした場合は,全身性強皮症,深在性モルフェアとの鑑別が必要である.

参考文献

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10) Al-Shaikh A, et al:Arthritis Rheum 37:1602, 1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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