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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科65巻9号

2011年08月発行

文献概要

症例報告

Epidermophyton floccosumによる股部白癬の1例

著者: 角谷廣幸1 角谷孝子1 望月隆2

所属機関: 1あいおい皮膚科クリニック 2金沢医科大学皮膚科学部門

ページ範囲:P.699 - P.702

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要約 17歳,男児,高校生.1週前に左陰股部にかゆみのある落屑性紅斑が生じ,その後,徐々に一部にびらんと小膿疱を伴ってきた.受診時まで治療歴はなかった.高校ではウエイトリフティング部に所属し,自宅でペルシャネコを飼っていた.所属部員や家族に同症はなかった.同部の落屑のKOH法では菌要素が多数密集してみられ,培養では表面がビロード状および一部粉末状で,淡い緑黄褐色の集落が得られた.この形態学的所見とPCR-RFLP法の所見と合わせてEpidermophyton floccosumと同定した.同菌による白癬は近年減少傾向にあるが,集団感染の報告もあり,また非定型的な臨床症状を呈するので日常診療においてなお注意を要する.

参考文献

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14) 高瀬孝子,他:皮膚臨床 29:328, 1987

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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