文献詳細
症例報告
文献概要
要約 59歳,女性.原発性胆汁性肝硬変,Sjögren症候群,斑状強皮症の既往がある.多発性筋炎に対しプレドニンを15mg/日内服中である.2010年4月から下腿浮腫に対して塩分制限を指導されて以来,拒食気味であった.6月初旬より両手背から前腕,後頸部に膿疱を伴い環状に拡大する紅斑が出現し当科を受診した.精査中,倦怠感が強く入院したが,経過中,舌炎,下痢,幻覚が出現し,血液検査にて血清ニコチン酸とその前駆体のトリプトファン,亜鉛の低下を認め,ペラグラと診断した.ニコチン酸,亜鉛の内服と食生活の改善で軽快した.自験例では膿疱の形成が臨床上特徴的であり,角層下膿疱症,壊死性遊走性紅斑との鑑別を要した.
参考文献
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