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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻1号

2012年01月発行

症例報告

両側外眼角に生じたMoll腺囊腫の1例

著者: 町田裕光1 福安厚子1 石川武子1 大西誉光1 渡辺晋一1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.54 - P.56

文献概要

要約 33歳,男性.5年前に両側外眼角の自覚症状のない皮疹に気付いた.皮疹はその後2年間で徐々に増大した.季節的な消長はなかった.両側外眼角に左右1つずつ径4mm大のドーム状に隆起する小結節が存在した.小結節は常色で軽度の透光性を有したが,囊腫状でなく弾性硬に触知した.病理組織像では真皮内に大小の囊腫が数個隣接していた.囊腫壁は2層構造で,細胞質が好酸性の小型の立方体から扁平な上皮細胞からなり,一部には断頭分泌を認めた.組織像はapocrine cystadenomaと同様であるが,発生部位からMoll腺囊腫と診断した.Moll腺囊腫として報告されている症例では,自験例を含め囊腫が多発傾向にあると推測されるが,例数が少ない.

参考文献

1) 斎田俊明,土屋真一:臨皮 36:689, 1982
2) 井上隆義,二條貞子:日皮会誌 93:75, 1983
3) 吉川 洋,谷口慶晃:眼紀 57:653, 2006
4) 久本和夫,他:皮膚臨床 31:371, 1989
5) 大沢真澄,他:日皮会誌 115:50, 2005
6) 野崎健一,他:皮膚科学 4:216, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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