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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻1号

2012年01月発行

文献概要

症例報告

R-THP-COP療法が奏効した原発性皮膚濾胞中心リンパ腫の1例

著者: 酒井貴史1 後藤瑞生1 齋藤華奈実1 波多野豊1 岡本修1 片桐一元1 藤原作平1 池辺太一2 幸野和洋2 緒方正男2 門田淳一2 瀬口俊一郎3

所属機関: 1大分大学医学部皮膚科学講座 2大分大学医学部総合内科学第2講座 3瀬口皮膚科

ページ範囲:P.73 - P.78

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要約 65歳,男性.63歳時,両側耳前部に自覚症状のない紅色皮疹が出現した.徐々に皮疹が増大したため2008年3月に当院を受診した.皮膚生検の結果,皮膚リンパ球腫と診断された.特に加療は行わず近医で経過観察されていたが,その後も皮疹が増大したため2009年3月当科に再び紹介された.2回目の皮膚生検の結果,primary cutaneous follicle center lymphoma(PCFCL)と診断した.造影CT,造影MRIで両側耳下腺内,顎下部,オトガイ下部に複数の腫大リンパ節を認めた.R-THP-COP療法を行ったところ,化学療法開始後から皮疹は著明に縮小,消失した.治療終了後に撮影した造影MRIにおいても腫大リンパ節は消失していた.化学療法終了後から1年半経過した時点で明らかな再発はなく,R-THP-COP療法はPCFCLの進行症例に対する治療の選択肢になると思われた.

参考文献

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11) 内田洋平,他:皮膚病診療 31:573, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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