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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻1号

2012年01月発行

文献概要

症例報告

急性骨髄性白血病患者に生じた播種性Fusarium感染症の1例

著者: 清水彩子1 遠藤秀治1 横田朗2 窪澤仁3

所属機関: 1千葉市立青葉病院皮膚科 2千葉市立青葉病院血液内科 3千葉市立青葉病院病理科

ページ範囲:P.79 - P.83

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要約 45歳,女性.急性骨髄性白血病があり,非血縁者間臍帯血移植後,拒絶をきたし,再移植を目指し準備中であった.プレドニゾロンとシクロスポリンが投与されており,前処置のため著明な好中球減少があった.背部に有痛性の紅色結節が出現し,まもなく中心部は小水疱,さらに壊死になった.同様の皮疹が急速に全身に播種状に増加した.皮膚生検にて血管侵襲性を示す多数の菌糸が認められ,培養の結果Fusarium sp. と同定された.高熱を伴い,β-D-glucanも高値を示した.血液培養からもFusarium sp. が検出された.リポソーマルアムホテリシンBとボリコナゾールを用いて治療を行ったが,敗血症性ショックに陥り,皮疹出現から約3週間後に心筋梗塞を併発して死亡した.播種性Fusarium感染症は致死率が高く,近年増加傾向である.免疫抑制状態の患者に特徴的な皮疹を認めた場合は皮膚生検を積極的に行う必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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