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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻1号

2012年01月発行

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文献紹介 Clinically amyopathic dermatomyositis患者の主要自己抗原は,メラノーマ分化関連遺伝子5によりコードされるRNAヘリカーゼである フリーアクセス

著者: 宮本樹里亜1

所属機関: 1慶應義塾大学

ページ範囲:P.40 - P.40

文献概要

 皮膚筋炎の臨床症状は多彩であり,皮膚,筋炎,肺合併症にわたる.典型的な皮疹を伴うが筋炎を伴わない亜型があり,これはclinically amyopathic dermatomyositis(C-ADM)と呼ばれる.C-ADM患者は特に東アジアでは急速進行性間質性肺炎(rapidly progressive interstitial lung disease:RP-ILD)を合併しやすく,免疫抑制剤による治療にも抵抗性で予後が悪い.筆者らは2005年に新しい皮膚筋炎の自己抗体である抗CADM140抗体を報告しており,この抗体はC-ADMとRP-ILDに強く関連している.

 本研究ではcDNAクローニングと免疫沈降法により,抗CADM140抗体の対応抗原がmelanoma differentiation-associated gene 5(MDA-5)であることを突き止めた.MDA-5は分子量140kdで細胞質に局在する蛋白で,ウイルスに対する自然免疫に関連する細胞成長抑制因子であることがこれまでに知られている.全長のMDA-5 cDNAをCOS-7細胞にトランスフェクトして免疫沈降法を行ったところ,すべての抗CADM140抗体陽性血清で反応を認めた.

参考文献

Sato S, et al:RNA helicase encoded by melanoma differentiation-associated gene 5 is a major autoantigen in patients with clinically amiopathic dermatomyositis. Arthritis Rheum 60:2193-2200, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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