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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻10号

2012年09月発行

文献概要

症例報告

皮膚症状から急性感染期のHIV感染症が判明した1例

著者: 水谷浩美1 末廣晃宏1

所属機関: 1大津市民病院皮膚科

ページ範囲:P.822 - P.825

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要約 41歳,男性.10日間持続する38℃台の発熱,咽頭痛,全身の浸潤性紅斑を主訴に受診した.頸部リンパ節腫脹も伴っていた.入院時の血液検査にて,白血球3,300/μlと減少,異型リンパ球の出現(2.5%),AST 331IU/l,ALT 406IU/lと肝機能障害を認めた.入院後口腔カンジダ症を認め,発熱,全身の紅斑,咽頭痛,頭痛,関節痛の訴えが強かったため,症状緩和のためにプレドニゾロン40mg/日を開始した.発熱,全身の紅斑は2週間以上持続した後軽快し,プレドニゾロンの投与は漸減し,2週間で中止した.病理組織像では,表皮内へのexocytosis,表皮真皮境界部の液状変性,真皮上層の血管周囲,付属器への炎症細胞浸潤を認めた.A型肝炎ウイルス,EBV,CMV,パルボウイルスB19,VZVは既感染パターンであった.B型,C型肝炎ウイルスは陰性であった.経過からhuman immunodeficiency virus(HIV)感染を疑い,HIVウイルス抗体・抗原検査を施行したところ陽性であった.Western blot法でHIV-1陽性,HIV-1RNA量は1.8×104copy/mlであり,急性HIV感染症と診断した.急性HIV感染症の皮膚症状について理解しておくことは皮膚科医として重要と考える.

参考文献

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10) 坪井良治,他:J Visual Dermatol 10:122, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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