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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻11号

2012年10月発行

文献概要

症例報告

異型ポルフィリン症の1例

著者: 山田英明1 中尾由絵2 中野創3 澤村大輔3 上出良一1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属第三病院皮膚科 2荏原病院皮膚科 3弘前大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.865 - P.869

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要約 36歳,女性.異型ポルフィリン症の1例を報告した.3年前より前腕伸側末梢から手背にかけて小外傷でびらん,瘢痕,色素沈着を生じやすくなった.最近になり全身倦怠感が出現した.血中プロトポルフィリンは125μg/dl RBCと軽度上昇,尿中ウロポルフィリン正常,尿中コプロポルフィリン471μg/g/Crと高値,また糞便中にコプロポルフィリンIは892μg/24h,コプロポルフィリンIIIは6,968μg/24hと高値であった.病理組織学的所見では表皮真皮境界部,真皮上層の毛細血管周囲,汗管周囲にPAS染色陽性物質の沈着を認めた.遺伝子検索でプロトポルフィリノーゲン酸化酵素の突然変異(イントロン6のc.616+1G>A)があり,異型ポルフィリン症と診断した.露光部の陳旧性瘢痕,神経症状を認める場合は,本症を想起して検索する必要がある.

参考文献

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9) Schneider-Yin X, et al:Acta Derm Venereol 90:512, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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