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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻11号

2012年10月発行

文献概要

症例報告

右大腿部に発生したatypical lipomatous tumorの1例

著者: 鈴木亜希1 佐々木哲雄1 酒井文子1 山本悠飛1 宮川まみ1 竹下芳裕1 池澤善郎1 田中一郎2 北村創3

所属機関: 1国際医療福祉大学熱海病院皮膚科 2国際医療福祉大学熱海病院形成外科 3国際医療福祉大学熱海病院病理科

ページ範囲:P.871 - P.874

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要約 76歳,男性.約1年半前より右鼠径部から大腿に皮下腫瘤を自覚し,徐々に拡大した.初診時約15cm大の表面常色,弾性軟の皮下腫瘤を認めた.MRI T1,T2強調画像にて均一な高信号を示し,内部に隔壁構造を伴う腫瘤が右鼠径部から大腿内側筋肉内に存在した.生検組織にて大小不同の成熟脂肪細胞と異型な間質細胞を認め,atypical lipomatous tumorと診断し全摘術を施行した.半年後の現在まで局所再発や転移は認めていない.自験例ではMRI所見から本症を疑い,生検組織にて術前の診断が可能であった.比較的大型な皮下腫瘤では脂肪肉腫の可能性も考え,CTやMRIなどの画像検査が有用であると思われる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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