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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻11号

2012年10月発行

文献概要

症例報告

成人に発症した多発性黄色肉芽腫の1例

著者: 山下紘子1 堀口麻有子1 福田恭子1 西尾晴子2 落合豊子1

所属機関: 1駿河台日本大学病院皮膚科学教室 2つるまき皮膚科

ページ範囲:P.885 - P.889

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要約 28歳,男性.約1年前,39℃の発熱があり,その数日後,発疹が体幹に多発した.初診時,体幹,四肢を中心に,赤褐色の小結節が孤立性に多発していた.粘膜疹はなく,眼症状や尿崩症はない.臨床検査所見で白血病や高脂血症の合併はなく,内臓悪性腫瘍の合併もなかった.病理組織所見では真皮内にTouton型多核巨細胞を混ずる組織球,泡沫細胞,リンパ球の浸潤がみられた.皮疹発症後2年目の現在,一部の結節は平坦化しているが,新生もみられている.成人の多発例における自然消退の可能性については不明な点が多く,今後も悪性腫瘍の合併に注意し,長期間の経過観察が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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