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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻11号

2012年10月発行

文献概要

治療

外傷に関連して発症した皮膚潰瘍に対する移動式陰圧維持管理装置を用いた植皮術

著者: 徳永茉以1 伊賀那津子1 登谷昌美1 遠藤雄一郎1 藤澤章弘1 谷岡未樹1 宮地良樹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚生命科学講座皮膚科学分野

ページ範囲:P.919 - P.923

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要約 症例1:72歳,女性.右踵部剝離骨折に対するギプス固定を契機に生じた右足背潰瘍・皮膚壊死に対して,デブリードマンを施行し,右足背の大部分を占める潰瘍が残った.下腿に重度の血流障害は認めず,局所の骨髄炎や筋・腱の壊死もなかった.陰圧閉鎖療法を用いて肉芽形成促進と植皮片固定を施行し,良好な植皮生着を認めた.症例2:84歳,女性.熱傷受傷後,約1か月経過しても治癒遷延している皮膚潰瘍が残存した.血流評価にて両下腿とも閉塞性動脈硬化症の所見を認めたため,経皮経管的血管形成術を施行した.両下腿ともに血流の改善を認めた.その後,両足の皮膚潰瘍に対する植皮術を施行した.陰圧閉鎖療法を用いて植皮片を固定し,良好な植皮生着を認めた.難治性の皮膚潰瘍や植皮片の固定が難しい症例に対して,陰圧閉鎖療法はその有効性が期待できる.

参考文献

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2) Blume PA, et al:Diabetes Care 31:631, 2008
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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