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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻12号

2012年11月発行

症例報告

ピルフェニドンによる光線過敏症の2例

著者: 仙崎聖子1 広瀬憲志1 石上剛史1 村尾和俊1 久保宜明1 西岡安彦2

所属機関: 1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部皮膚科学分野 2徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部呼吸器・膠原病内科学分野

ページ範囲:P.945 - P.948

文献概要

要約 症例1:67歳,男性.特発性肺線維症の治験に参加しピルフェニドン(ピレスパ®,600mg/日,3×毎食後)の内服開始約2か月半後に項部から両側頸部,前胸部,手背に紅斑が出現した.症例2:75歳,男性.特発性肺線維症にてピルフェニドン600mg/日の内服を開始,内服量は徐々に増量した.約2か月半後,1,800mg/日内服中に顔面全体,頸部全周,前胸部,両側前腕から手背に浸潤の強いびまん性の紅斑が生じた.特徴的な皮疹の分布と日光への曝露歴より両症例ともピルフェニドンによる光線過敏症と診断した.ピルフェニドンの内服を,前者は継続,後者は一時的に休薬し遮光の徹底と抗ヒスタミン剤の内服,ステロイド外用にて皮疹は軽快した.ピルフェニドンは基本的には光毒性を引き起こし,約半数に光線過敏を生じるため注意を要する.

参考文献

1) 臼杵二郎:呼吸と循環 58:367, 2010
2) 錦織千佳子:医薬ジャーナル 45:132, 2009
3) 錦織千佳子:特発性肺線維症(IPF),杉山幸比古 編,医薬ジャーナル社,p165, 2010
4) 塩野義製薬株式会社:社内資料 ピルフェニドンの光遺伝毒性試験

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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