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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻12号

2012年11月発行

文献概要

症例報告

Churg-Strauss症候群の多発単神経炎に対し,免疫グロブリン大量静注療法が有効であった1例

著者: 渡辺さゆり1 岡本崇1 安藤典子1 原田和俊1 川村龍吉1 柴垣直孝1 島田眞路1

所属機関: 1山梨大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.965 - P.968

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要約 57歳,男性.2006年に気管支喘息を発症した.2009年10月より両下肢の痺れ,疼痛がみられ,11月より両下腿に紫斑,血疱,潰瘍が出現した.末梢血で好酸球の著明な上昇(白血球分画:39%)を認めた.病理組織学的所見にて,好酸球の組織内浸潤がみられたことから,Churg-Strauss症候群(Churg-Strauss syndrome:CSS)と診断した.ステロイド加療にて皮疹は速やかに消退したが,多発単神経炎が残存した.ステロイド抵抗性の多発単神経炎に対し,免疫グロブリン大量静注療法(400mg/kg/日,5日間)を試みたところ,痺れや疼痛の著明な改善を認めた.今後,ステロイド抵抗性の末梢神経障害を有するCSS患者には,免疫グロブリン大量静注療法を考慮すべきと考える.

参考文献

1) 陳 科榮:最新皮膚科学大系,4巻,中山書店,p146, 2003
2) 吉田典史,他:末梢神経 17:304, 2006
3) 坂本慶子,他:皮膚病診療 32:45, 2010
4) 長沢俊彦,他:アレルギー 40:1, 1991
5) Taniguchi M, et al:Allergol Int 56:97, 2007
6) 丸浜伸一郎,他:静岡県立総合病院医学雑誌 21:21, 2008
7) 岩永賢司,他:Int Rev Asthma COPD 11:35, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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