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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻12号

2012年11月発行

文献概要

症例報告

成人型全身性肥満細胞症の1例

著者: 内山明彦1 須藤麻梨子1 長谷川道子1 永井弥生1 石川治1

所属機関: 1群馬大学大学院医学研究科皮膚科学

ページ範囲:P.969 - P.973

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要約 32歳,男性.初診4年前より背部に褐色斑が出現し次第に増数した.初診時,全身に半米粒大までの淡紅褐色斑,丘疹が多発し,Darier徴候陽性であった.生検病理組織像では真皮上層に胞体内に好塩基性の顆粒を持ち,トルイジンブルー染色で異染性を示す細胞が多数浸潤していた.全身精査を行ったところ,消化管粘膜に肥満細胞の浸潤がみられ,全身性肥満細胞症と診断した.成人発症例に多く認めるc-kit遺伝子異常はなかった.自験例では全身症状は伴わなかったが,今後さまざまな臓器症状を呈する可能性があり,注意深く経過観察する必要があると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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