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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻12号

2012年11月発行

症例報告

太田母斑の雪状炭酸圧抵療法後に生じた多発性基底細胞癌の1例

著者: 尾藤三佳1 和田誠1 益田浩司1 竹中秀也1 加藤則人1

所属機関: 1京都府立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.979 - P.983

文献概要

要約 62歳,女性.生下時より右頰部に太田母斑があり,4歳頃から7歳の期間に右頰部全体に週1回の雪状炭酸圧抵療法を施行された.約6年前より右頰部に爪甲大の黒色結節が出現した.放置していたところ徐々に拡大してきたため,2009年3月当科を受診した.初診時,右頰部の太田母斑上に,中央に16×10mmの潰瘍を伴う28.5×16mmの灰黒色結節を認めた.また右頰外側と右内眼角,右鼻翼部に数mmの黒色小結節を認めた.臨床的に基底細胞癌を疑い,右頰部の太田母斑上の灰黒色結節と右内眼角の黒色小結節より皮膚生検を行ったところいずれも基底細胞癌と診断した.また右側顔面の真皮全層に膠原線維の増生と肥厚を伴っていたため雪状炭酸圧抵療法後の瘢痕に生じた多発性の基底細胞癌と考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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