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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻12号

2012年11月発行

文献概要

症例報告

多発性骨髄腫に伴った続発性皮膚形質細胞腫の2例

著者: 林良太1 高塚純子1 竹之内辰也1 五十嵐夏恵2 廣瀬貴之2 今井洋介2 石黒卓朗2 張高明2 根本啓一3

所属機関: 1新潟県立がんセンター新潟病院皮膚科 2新潟県立がんセンター新潟病院内科 3新潟県立がんセンター新潟病院病理部

ページ範囲:P.985 - P.988

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要約 症例1:66歳,男性.左上腕骨初発のIgA-λ型多発性骨髄腫.レナリドミド25mg/日内服による治療中に両下肢に紅色結節が多発し,血行転移による続発性皮膚形質細胞腫と診断した.ボルテゾミブ(2mg),デキサメタゾン(20mg)大量療法で皮疹は消失し寛解状態であったが,サイトメガロウイルス肺炎により皮疹出現後9か月で死亡した.症例2:78歳,女性.左上腕骨病変で発症した非分泌型の多発性骨髄腫.上腕骨切除創周囲に紅色結節が多発し,骨病変からの直接浸潤による続発性皮膚形質細胞腫と診断した.自家造血幹細胞移植併用大量化学療法(メルファラン100mg/m2)によって皮疹は速やかに消失したが,皮疹出現後3か月で死亡した.多発性骨髄腫の皮膚転移は稀で,出現後の予後は不良であるとされている.しかし,新規分子標的薬の導入に伴って今後は予後因子としての位置付けも大きく変動していく可能性がある.

参考文献

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9) 張 高明:血液内科 62:307, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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