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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻12号

2012年11月発行

文献概要

症例報告

B群β溶血性連鎖球菌が検出された壊死性筋膜炎の1例

著者: 吉方佑美恵1 菊池荘太1 松尾光馬1 石地尚興1 中川秀己1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属病院皮膚科学講座

ページ範囲:P.999 - P.1003

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要約 50歳,男性.35歳時より2型糖尿病を指摘されていたが,5年前より糖尿病治療薬内服を自己中断していた.初診の5日前より右足背部に疼痛を伴う紅斑が出現した.近医を受診し,シプロフロキサシン500mg/日を処方されたが紅斑は急激に拡大し,一部に水疱が出現したため当科を受診した.激痛を伴い採血でWBC 14.5×103/μl,CRP 29.64mg/dlと炎症反応が高値なこと,CTでは全周性の軟部組織の腫脹が認められたため,壊死性筋膜炎と診断しデブリードマンを施行した.創部からはB群β溶血性連鎖球菌(以下,B群連鎖球菌)が検出された.アンピシリン/スルバクタム3g×4/日の投与を開始した.術後24日目で分層植皮術を行い創部は上皮化した.糖尿病合併者の壊死性筋膜炎は,進行は緩除なことが多いが重篤になりうるため,診断,治療が遅れないように,注意を要する.

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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