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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻12号

2012年11月発行

文献概要

症例報告

BCG接種後に生じた皮膚腺病の1例

著者: 西田圭吾1 杉山亜希子1 長縄真帆1 満間照之1

所属機関: 1一宮市立市民病院皮膚科

ページ範囲:P.1005 - P.1008

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要約 8か月,男児.生後4か月時に左上腕にBCG接種を受けた.接種1か月後より左腋窩に赤色の結節を認め,約4か月後に自壊排膿した.病理組織学的に乾酪壊死を伴う類上皮細胞性肉芽腫を認め,その周囲にはLanghans型巨細胞が浸潤していた.Ziehl-Neelsen染色では抗酸菌は陰性であった.穿刺液のPCR法結核菌検査は陰性であったが,穿刺液の抗酸菌培養にてコロニーの形成を認め,PCR法にてMycobacterium tuberculosis complexと同定した.さらに,遺伝子解析によりウシ型結核菌(Mycobacterium bovis BCG)であることを確認した.クオンティフェロン検査は陰性であった.臨床所見と併せてBCG接種による皮膚腺病と診断した.イソニアジド10mg/kgを4か月経口投与し結節は縮小,瘢痕化した.結核予防法の改正に伴い乳児への接種機会が増え,BCGの副反応の報告例が増えており,今後も注意する必要がある.

参考文献

1) 辻 和英,他:臨皮 52:887, 1998
2) 冨田浩一,他:臨皮 50:983, 1996
3) 高橋隼也,他:臨皮 63:628, 2009
4) 森  亨,他:結核 84:109, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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