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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻13号

2012年12月発行

文献概要

症例報告

プレドニゾロン投与中に粟粒結核を発症した水疱性類天疱瘡の1例

著者: 渡邉美佳1 猪熊大輔1 清水聡子1 楠堂晋一2 廣﨑邦紀3 土屋喜久夫1

所属機関: 1市立札幌病院皮膚科 2市立札幌病院呼吸器内科 3北海道医療センター皮膚科

ページ範囲:P.1047 - P.1050

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要約 82歳,女性.全身に緊満性水疱と浮腫性紅斑を認め,精査で水疱性類天疱瘡と診断した.全身検索で,CTで陳旧性肺炎像を認めた.プレドニゾロンの投与を開始し,合計15週間投与したところ,倦怠感・発熱が出現した.白血球・CRP高値で,胸部CTにて,両上葉に小葉中心性の小粒状影を散在性に認めた.喀痰・静脈血で抗酸菌染色陽性・結核菌PCR陽性で,粟粒結核と診断した.本邦高齢者での結核既感染率は高く,皮膚科領域においても生物学的製剤はもちろんのこと,副腎皮質ホルモンなどの免疫抑制をきたす薬剤を投与する場合には潜在性結核感染症を念頭に置いてフォローする必要があると考えた.

参考文献

1) 公益財団法人結核予防会:結核の統計2011,公益財団法人結核予防会,p24, 2011
2) 財団法人結核予防会:潜在性結核感染症―概念と診療のポイント,財団法人結核予防会,p24, 2009
3) Sharma SK, et al:Lancet Infect Dis 5:415, 2005
4) 高林克日己,他:日内会誌 78:1293, 1989
5) 厚生省保健医療局結核感染症課長通知 健医感発第89号,2000
6) 日本結核病学会予防委員会・日本リウマチ学会:結核 79:747, 2004
7) 日本皮膚科学会 乾癬における生物学的製剤の使用指針および安全対策マニュアル(2011年版),2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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