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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻13号

2012年12月発行

文献概要

症例報告

皮下腫瘍との鑑別を要した歯原性膿瘍の1例

著者: 高岡佑三子1 遠藤雄一郎1 藤澤章弘1 谷岡未樹1 宮地良樹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚生命科学講座皮膚科学分野

ページ範囲:P.1091 - P.1093

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要約 75歳,男性.左鼻部から頰部にかけて皮下硬結を伴う紅斑が出現した.近医の内科,皮膚科,耳鼻科を受診したが原因不明であり,抗菌薬を2週間内服の後に軽快した.2か月後に同様の症状が再発したが抗菌薬に不応であった.皮下腫瘍の疑いで当院皮膚科を紹介受診した.皮下硬結が下床と癒着していたことから歯原性膿瘍を疑いエコー検査およびX線検査を行い確定診断した.口腔外科で原因歯の抜歯,囊胞摘出および掻爬術を施行して皮膚症状は軽快した.歯原性皮下膿瘍は非常に見逃されやすい疾患である.しかし,顔面の難治性瘻孔や皮下膿瘍を診察する際には,常に歯原性の原因を鑑別に入れることによって,容易に歯原性膿瘍の確定診断ができ,早期治療につながると考える.

参考文献

1) 中山佳代子,他:皮膚臨床 38:679, 1996
2) Peermohamed S, et al:Dermatol Surg 37:1525, 2011
3) Kang HS, et al:Clin Exp Dermatol 36:624, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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