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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻13号

2012年12月発行

文献概要

症例報告

Extended spectrum β-lactamase産生大腸菌により生じたFournier壊疽の1例

著者: 奥野奈央1 野嶋浩平1 椛沢未佳子1 金崇豪2 武居哲洋2 並木剛1

所属機関: 1横浜市立みなと赤十字病院皮膚科 2横浜市立みなと赤十字病院集中治療部

ページ範囲:P.1094 - P.1098

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要約 61歳,男性.初診5日前より会陰部に疼痛があり,急激に黒色調を呈したため前医を受診した.Fournier壊疽を疑われ当院に救急搬送された.陰囊,会陰部,左臀部に黒色壊死,周囲に広範囲にわたる発赤を認め,ショック症状を呈していた.同日,緊急で皮膚切開およびデブリードマンを施行した.抗生剤にはセファゾリンナトリウム2g/日とクリンダマイシン1,200mg/日を選択した.細菌培養にてESBL(extended spectrum β-lactamase)産生菌を含む感受性の異なる2種の大腸菌が培養されたため,セファゾリンナトリウムをメロペネム1.5g/日に変更した.2回目の皮膚切開・デブリードマン後より発赤腫脹は軽快した.ESBL産生菌は昨今検出率が増加し問題となっている耐性菌である.耐性菌や菌交代現象を考慮した広域抗生剤の初期大量投与や頻回の細菌培養が必要と考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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