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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻3号

2012年03月発行

文献概要

症例報告

Hermansky-Pudlak症候群の1例

著者: 川崎洋1 齋藤昌孝1 三宅亜矢子2 石橋正史3 佐山宏一4 近藤泰輔5 鈴木民夫6 富田靖5 石河晃17

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2稲城市立病院皮膚科 3日本鋼管病院皮膚科 4慶應義塾大学医学部呼吸器内科学教室 5名古屋大学医学部皮膚科学教室 6山形大学医学部医学科皮膚科学講座 7東邦大学医学部皮膚科学第一講座

ページ範囲:P.211 - P.215

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要約 48歳,女性.出生時より皮膚は乳白色で,幼少時に視力低下を認め,日光過敏や出血傾向を自覚していた.初診1年前より乾性咳嗽が続き,胸部CTにて肺線維症を指摘された.Hermansky-Pudlak症候群(Hermansky-Pudlak syndrome:HPS)が疑われ,当科で精査した.眼皮膚白皮症,出血傾向,組織へのセロイド様物質の沈着がみられ,HPSの3徴をすべて満たした.遺伝子解析の結果,HPS1遺伝子にイントロン5のスプライス変異(IVS5+5G→A)をhomozygousに認め,HPS1と確定診断した.これまでHPSはきわめて稀な疾患と考えられてきたが,本邦におけるHPS患者の頻度は当初考えられていたよりも高いことが近年報告された.HPSは致死的因子となる肺線維症を合併することがしばしばある.適切な患者指導を行うため,白皮症患者の診断にはHPSも念頭に置き,早期診断に努めるべきであると考えた.

参考文献

1) Hermansky F & Pudlak P:Blood 14:162, 1959
2) 鈴木民夫:臨皮 60:23, 2006
3) Wei ML:Pigment Cell Res 19:19, 2006
4) Ito S, et al:J Invest Dermatol 125:715, 2005
5) 藤原俊哉,他:日胸臨 67:340, 2008
6) Suzuki T, et al:J Dermatol Sci 36:106, 2004
7) 中谷行雄,他:日胸臨 62:S210, 2008
8) 近藤光子:呼吸器科 15:429, 2009
9) Brantly M, et al:Chest 117:129, 2000
10) Gahl WA, et al:Mol Genet Metab 76:234, 2002
11) Lederer DJ, et al:J Heart Lung Transplant 24:1697, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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