icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻3号

2012年03月発行

症例報告

Prepubertal unilateral fibrous hyperplasia of the labium majusの1例

著者: 国本佳代12 上出康二23 古川福実1 中村靖司4

所属機関: 1和歌山県立医科大学皮膚科 2和歌山ろうさい病院皮膚科 3上出皮膚科クリニック 4和歌山県立医科大学臨床検査医学講座

ページ範囲:P.229 - P.233

文献概要

要約 9歳,女児.初診の3か月前より自覚症状のない右大陰唇の腫大が出現した.臨床所見からは脂肪腫やリンパ管腫,血管粘液腫などを疑った.MRIでは右大陰唇皮下にT1WIで低信号,T2WIでも低信号の境界不明瞭な領域があり,線維組織の増生を疑った.病理組織学的には,紡錘形の線維芽細胞の比較的粗な増殖と膠原線維束の増生が主体で,当初,線維腫と考えた.これまでに思春期前の女児の大陰唇に好発する線維腫に関しての報告は少ないが,2004年Iwasaら,2005年Vargasら,2007年Altchekらが本症例と同様の症状,病理学的所見をもつ疾患をまとめ,新しい疾患概念としてprepubertal unilateral fibrous hyperplasia of the labium majusの疾患名で報告しており,本症例はこれにあたると診断した.本症例は本邦第1例目の報告である.

参考文献

1) Iwasa Y, Fletcher CD:Am J Surg Pathol 28:1601, 2004
2) Vargas SO, et al:Am J Surg Pathol 29:1007, 2005
3) Altchek A, et al:Obestet Gynecol 110:103, 2007
4) 福永真治:病理と臨床 20:1035, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら