臨床皮膚科66巻4号

2012年04月発行

症例報告

白色海綿状母斑の1例

著者： 澁谷貴史¹ 島村智江¹ 橋本任¹ 本間大² 山本明美² 飯塚一²

所属機関： ¹名寄市立総合病院皮膚科 ²旭川医科大学皮膚科

ページ範囲：P.325 - P.327

文献概要

要約　12歳，女性．自覚症状のない口唇・口腔内の白色局面を主訴に受診した．病理組織学的に有棘層が特徴的な膨化を示した．家族歴はなく，白色海綿状母斑(white sponge nevus)の孤発例と診断し，アジスロマイシン(ジスロマック^®，400mg/日×3日間)投与により，病変は軽快した．家族性白色海綿状母斑および一部の孤発例ではケラチン遺伝子異常が確認されているが，過去の報告でも抗生剤内服や含漱，エトレチナート内服などの治療に対する反応はさまざまである．口腔内の白色病変の鑑別診断として考慮すべき疾患と考えた．

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