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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻5号

2012年04月発行

特集 最近のトピックス2012 Clinical Dermatology 2012

2.皮膚疾患の病態

蜂窩織炎に続発したアナフィラクトイド紫斑―蜂窩織炎とアナフィラクトイド紫斑の合併例の検討

著者: 牛込悠紀子1 成田陽子1 平原和久1 塩原哲夫1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.38 - P.43

文献概要

要約 溶血連鎖球菌(溶連菌)は,さまざまな皮膚疾患の原因となることが知られている.われわれは,蜂窩織炎の治療経過中にアナフィラクトイド紫斑(anaphylactoid purpura:AP)を続発し,その間に抗ストレプトリジン(ASO)と抗ストレプトキナーゼ(ASK)の有意な上昇を確認しえた症例を相次いで経験したことより,両疾患の発症に溶連菌の関与を考えた.同様に蜂窩織炎にAPを合併した当教室症例および本邦既報告例を検討したところ,合併例の半数で溶連菌の関与が示唆された.その全例で蜂窩織炎が1週間前後先行しており,皮膚局所に常在する溶連菌が蜂窩織炎の原因となる可能性を考えた.皮膚局所に常在する溶連菌は感染病巣となりうるばかりでなく,しばしば重篤なAPの原因となりうる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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