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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻5号

2012年04月発行

特集 最近のトピックス2012 Clinical Dermatology 2012

2.皮膚疾患の病態

二光子励起顕微鏡で見る皮膚免疫反応

著者: 江川形平1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科学

ページ範囲:P.54 - P.57

文献概要

要約 二光子励起顕微鏡は,「二光子励起」と呼ばれる現象を利用した新しい顕微鏡である.その低侵襲性,深部到達性から生体組織を直接観察することが可能であり,近年,さまざまな研究分野に導入されている.皮膚は,観察のしやすさ,実験モデルの豊富さから本機器と相性のよい研究領域といえる.実際,マウスでは皮下脂肪織のレベルに達する高解像度の3次元像が得られ,さらには動画による4次元的解析を行うことも可能である.本稿では,接触皮膚炎のマウス実験モデルである接触過敏反応を中心に,二光子励起顕微鏡を用いて得られた知見について解説した.これまでに皮膚のなかで活発に活動するT細胞や樹状細胞が動画として捉えられ,リンパ節内のみにとどまらず,皮膚局所においてもT細胞と樹状細胞が結合し抗原提示が行われる様子が観察されている.これにより,抗原で感作が成立している個体で迅速な皮膚炎が誘導されるメカニズムの一端が明らかとなった.

参考文献

1) Grabbe S, Schwarz T:Immunol Today 19:37, 1998
2) 江川形平,椛島健治:ファーストステップ皮膚免疫学,中外医学社,p99, 2010
3) 江川形平,椛島健治:疾患モデルの作製と利用―免疫疾患,エル・アイ・シー,p144, 2011
4) Egawa G, et al:J Invest Dermatol 131:977, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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