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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻5号

2012年04月発行

特集 最近のトピックス2012 Clinical Dermatology 2012

4.皮膚疾患治療のポイント

帯状疱疹関連痛の新たな薬物治療

著者: 山口重樹1 北島敏光1

所属機関: 1獨協医科大学麻酔科学教室 2

ページ範囲:P.98 - P.103

文献概要

要約 帯状疱疹関連痛(zoster associated pain:ZAP)の治療戦略について,国内外のガイドラインを参考に述べた.ZAPの治療を考えるうえで重要なことは,前駆期から急性期にかけての侵害受容性疼痛,その後の神経障害性疼痛の2つの様相を考えることである.侵害受容性疼痛の様相が強い時期にはアセトアミノフェンを中心に,神経障害性疼痛の様相が出現した際には鎮痛補助薬やオピオイド鎮痛薬を中心に治療戦略を立てることが重要である.一方,従来鎮痛薬の中心であった非ステロイド性抗炎症薬は厳選された患者にのみ選択され,侵害受容性疼痛が存在するときにのみ投与されるべきである.これらの治療戦略によって,以前のように帯状疱疹後神経痛へ移行して著しくquality of lifeが低下する患者が出現することは確実に減ると思われる.

参考文献

1) Johnson RW:Herpes 14:S30, 2007
2) 比嘉和夫:治療 90:2147, 2008
3) Johnson RW, et al:BMC Med 8:37, 2010
4) Drolet M, et al:CMAJ 182:1731, 2010
5) 細川豊史,他:日本ペインクリニック学会神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン作成ワーキンググループ/編集:真興交易,2011
6) 山口重樹,他:ペインクリニック 31:1459, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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