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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻5号

2012年04月発行

特集 最近のトピックス2012 Clinical Dermatology 2012

4.皮膚疾患治療のポイント

日光角化症のイミキモド療法

著者: 斎田俊明1 川島眞2

所属機関: 1信州大学 2東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.119 - P.122

文献概要

要約 イミキモドはToll様受容体に作用し,強い抗ウイルス作用,抗腫瘍効果を発揮する.今回,日光角化症(solar keratosis/actinic keratosis:AK)患者を対象にイミキモド5%クリームの有用性をランダム化比較試験にて検討した.就寝前に同クリームを週3回,同週2回,基剤を週3回,4週間塗布し,塗布終了から4週後に病変が残存していた場合はさらに4週間,同様のクリーム塗布を行った.本治験での完全消失率は週3回群57.1%,週2回群37.1%,基剤群16.9%であり,週3回群で有意に優れた効果がえられた.有害事象が高率に認められたが,ほとんどは局所皮膚反応であり,重度の副作用による中止例はみられなかった.週3回群の完全消失例で1年間追跡調査した32症例では1例も再発がみられなかった.本邦ではこれまでAKの治療に凍結療法と外科的切除が主として用いられてきた.非侵襲的治療であるうえに,field therapyとしての効果も期待できる本剤は今後,AKの有力な治療選択肢になるものと期待される.

参考文献

1) Miller RL, et al:Int J Immunopharmacol 21:1, 1999
2) 中川秀己:日性感染症会誌 18:134, 2007
3) 斎田俊明,川島 眞:Skin Cancer 26:364, 2011
4) Schon MP, et al:J Invest Dermatol 126:1338, 2006
5) Korman N, et al:Arch Dermatol 141:467, 2005
6) Braakhuis BJ, et al:Cancer Res 63:1727, 2003
7) 斎田俊明:Skin Cancer 25:214, 2010
8) Stockfleth E, et al:Eur J Dermatol 18:651, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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