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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻5号

2012年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2012 Clinical Dermatology 2012 4.皮膚疾患治療のポイント

重症虚血肢に対する皮膚科的アプローチ

著者: 末木博彦1 前田敦雄2 葛西嘉亮3

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院皮膚科 2昭和大学藤が丘病院循環器内科 3昭和大学藤が丘病院形成外科

ページ範囲:P.135 - P.139

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要約 重症虚血肢(critical limb ischemia:CLI)とは動脈閉塞性疾患に起因する慢性虚血性安静時疼痛,潰瘍もしくは壊疽を有する状態と定義される.CLIは全身血管の動脈硬化に起因していることから,単なる足部潰瘍・壊疽といった局所的疾患ではなく,生命予後不良の全身血管病である.全身的リスク管理を行う内科をはじめ,血行再建を行う循環器内科や血管外科,デブリドマンや切断を行う形成外科などの関連診療科や生理機能検査技師,看護師などコメディカルスタッフを含む医療チームによる集約的治療を要する.患者を初療する機会の多い皮膚科医の役割は,正しい臨床診断,血流評価などの検査計画,創傷治療である.潰瘍や壊疽がなくとも糖尿病患者,透析患者,喫煙者などハイリスク患者に対しては定期的フットチェックにより潜在する虚血の早期発見,潰瘍や壊疽の引き金になる非潰瘍性皮膚病変の治療に努めるべきである.

参考文献

1) 日本脈管学会編:下肢閉塞性動脈硬化症の診断・治療指針II(TASC II),メディカルトリビューン,p11, 2007
2) Mehler PS, et al:Circulation 107:753, 2003
3) 末木博彦:日皮会誌 120:3034, 2010
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6) 佐藤智也,市岡 滋:臨皮65:121, 2011.
7) Morykwas MJ, et al:Ann Plast Surg 38:553, 1997
8) Kairinos N, et al:Plast Reconstr Surg 123:601, 2009
9) Kasai Y, et al:JPRAS, 2012, in press
10) 村勢敏郎,他:ホルモンと臨床 41:187, 1993
11) Brown AC, et al:Ostomy Wound Manage 47:44, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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