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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻6号

2012年05月発行

症例報告

陰部のびらんで発症し診断に至った尋常性天疱瘡の1例

著者: 森志朋1 大西正純1 赤坂俊英1 上原伸一2

所属機関: 1岩手医科大学皮膚科学教室 2かみはら皮膚科医院

ページ範囲:P.425 - P.428

文献概要

要約 84歳,男性.陰茎包皮,陰茎,冠状溝に無症状の水疱とびらんが出現した.近医で外用治療を受けたが難治であり,当科を紹介され,受診した.二次感染などを考え,外用剤を変更したが改善しないため,皮膚生検を施行した.病理組織検査で表皮の棘融解像と真皮に炎症細胞浸潤を認め,蛍光抗体直接法で表皮細胞間にIgGが沈着していた.抗デスモグレイン1(DSG1)抗体のみが陽性であり,自験例を尋常性天疱瘡と診断した.陰部の皮膚や粘膜,粘膜移行部についてのDSG1とDSG3の分布については不明であるが,陰部粘膜のDSG1とDSG3の分布様式は表皮あるいは結膜の分布様式に類似している可能性があると考えた.

参考文献

1) Shirakata Y, et al:J Invest Dermatol 110:76, 1998
2) 鎌田 聡,他:皮膚臨床 47:409, 2005
3) Dereure O, et al:Acta Derm Venereol 78:75, 1998
4) Batta K, et al:Br J Dermaol 140:945, 1999
5) Zosmer A, et al:Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol 47:260, 1992
6) Marren P, et al:J Reprod Med 38:101, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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