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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻6号

2012年05月発行

文献概要

症例報告

軽井沢で感染したライム病と考えられた1例

著者: 堺美由紀1 谷口裕子1 滝野長平1 大滝倫子1 川端寛樹2

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会九段坂病院皮膚科 2国立感染症研究所細菌第一部

ページ範囲:P.439 - P.443

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要約 37歳,男性.軽井沢滞在中に左背部と腰部の黒色異物に気づき,その後同部を中心とした遊走性紅斑が出現した.ミノマイシン内服で紅斑は治癒した.臨床症状よりライム病と診断した.血清Borrelia抗体検査はborderlineであったが,感染早期であり,抗生剤投与のための偽陰性と考えた.感染早期では血清学的偽陰性があるため,診断には臨床症状を重視する必要がある.また軽井沢はライム病を媒介するシュルツェマダニ(Ixodes persulcatus)の生息地域であるため,訪れる際には注意が必要である.

参考文献

1) 橋本喜夫:最新皮膚科学体系,19巻,中山書店,p94, 2003
2) 西岡和恵,他:皮膚病診療 25:867, 2003
3) Centers for Disease Control and Prevention:MMWR Morb Mortal Wkly Rep 44:590, 1995
4) 山本敬三,他:皮膚臨床 37:373, 1995
5) Centers for Disease Control and Prevention:MMWR Morb Mortal Wkly Rep 54:125, 2005
6) Stanek G, et al:Clin Microbiol Infect 17:69, 2011
7) 堀内信之,他:日農医誌 53:23, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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