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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻6号

2012年05月発行

文献概要

臨床統計

当院における薬疹32例の検討―抗菌薬による薬疹と抗菌薬以外の薬剤による薬疹を比較して

著者: 臼田佳世1 神戸有希1 青島正大2

所属機関: 1石心会狭山病院皮膚科 2亀田総合病院呼吸器内科

ページ範囲:P.457 - P.460

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要約 2009年7月から2010年6月までの院内で発生した全薬疹患者32例を対象とし,特に抗菌薬に注目して,臨床症状・血液検査所見・薬剤添加リンパ球刺激試験(drug-induced lymphocyte stimulation test:DLST)の陽性率を調査した.当院における傾向として,抗菌薬による薬疹では,それ以外の薬剤による薬疹よりもDLSTの陽性率が高いという結果が得られた.また,重症薬疹化した4症例はいずれも抗菌薬による薬疹が疑われ,発熱の遷延と血液検査所見の変動の両方を伴っていた.抗菌薬による薬疹が疑われ,特に発熱の遷延と,血液検査所見の変動の両方を伴う場合,重症化が予測されるため,直ちに抗菌薬の中止・変更を試みるべきと考えられた.

参考文献

1) 難治性皮膚疾患[重症多形滲出性紅斑(急性期)を含む]の画期的治療法に関する研究(主任研究者橋本公二)厚生労働省科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業,平成17年度総括・分担研究報告書,p7,2006
2) 塩原哲夫:MB Derma 160:7, 2009
3) 塩原哲夫:アレルギー・免疫 10:34, 2003
4) 福田英嗣,福田英三:原因薬剤一覧表,薬疹のすべて,南光堂,p261
5) 塩原哲夫(編):皮膚病診療プラクティス19,薬疹を極める,文光堂,p33,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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