文献詳細
文献概要
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文献紹介 天疱瘡患者血清中のデスモコリン3に対するIgG自己抗体はケラチノサイトの接着を喪失させる
著者: 松本奈央子1
所属機関: 1慶應義塾大学
ページ範囲:P.410 - P.410
文献購入ページに移動 天疱瘡は,デスモゾームを構成する分子であるデスモグレイン3(Dsg3)とデスモグレイン1(Dsg1)に対するIgG抗体によって生じる自己免疫疾患であり,抗Dsg3/Dsg1抗体の病原性はin vitro およびin vivo で示されている.さらにDsg3遺伝子の欠損があるマウスでは粘膜に水疱が生じるが,別のデスモゾーム構成分子であるデスモコリン3(Dsc3)遺伝子が欠損したマウスでも同様の表現型が示される.
今回著者らは,非典型的な臨床像を呈した天疱瘡患者で検出された抗Dsc3抗体の病原性について調べた.最初に,患者血清からDsc3に対するIgG抗体をリコンビナントDsc3蛋白を用いたアフィニティカラムクロマトグラフィーによって精製したところ,抗Dsc3抗体は表皮のみならず,培養ケラチノサイトにも反応することが確かめられた.さらに,ディスパーゼを用いたディソシエーションアッセイにて抗Dsc3抗体が表皮ケラチノサイトの接着力を喪失させることが示された.
今回著者らは,非典型的な臨床像を呈した天疱瘡患者で検出された抗Dsc3抗体の病原性について調べた.最初に,患者血清からDsc3に対するIgG抗体をリコンビナントDsc3蛋白を用いたアフィニティカラムクロマトグラフィーによって精製したところ,抗Dsc3抗体は表皮のみならず,培養ケラチノサイトにも反応することが確かめられた.さらに,ディスパーゼを用いたディソシエーションアッセイにて抗Dsc3抗体が表皮ケラチノサイトの接着力を喪失させることが示された.
参考文献
Rafei D, et al:IgG autoantibodies against desmocollin 3 in pemphigus sera induce loss of keratinocyte adhesion. Am J Pathol 178:718-723, 2011
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