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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻7号

2012年06月発行

文献概要

症例報告

Brunsting-Perry型類天疱瘡の1例

著者: 綿貫(工藤)沙織1 本多皓1 栗原英美1 橋本玲奈2 山上淳2 中山秀夫3 陳科榮1

所属機関: 1東京都済生会中央病院皮膚科 2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 3中山皮膚科クリニック

ページ範囲:P.497 - P.501

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要約 51歳,女性.潰瘍性大腸炎などの既往があった.2008年3月より顔面に掻痒を伴う水疱とびらんを繰り返し生じていた.一部はびらんの辺縁に小水疱を形成しながら拡大した.粘膜疹はなかった.病理組織学的には表皮下水疱で水疱内や水疱辺縁部の基底膜に沿って多数の好酸球が浸潤していた.蛍光抗体直接法で皮疹部の基底膜部に線状にIgG・C3が沈着していた.ELISA法では抗BP180NC16a抗体(Index値)19.7であった.1M食塩水剥離皮膚を基質として用いた蛍光抗体間接法で表皮側にIgG沈着を認めた.プレドニゾロン(PSL)20mg/日の内服とヒドロコルチゾン軟膏外用にて,皮疹は明らかな瘢痕を残さず改善した.その後PSLを5mg/日まで漸減したところ顔面に水疱が再燃した.33か月以上の観察で水疱が頭頸部にほぼ限局した特異な臨床経過などより,Brunsting-Perry型類天疱瘡と診断した.稀な症例であり若干の文献的考察も交えて報告する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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