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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻7号

2012年06月発行

症例報告

経口避妊薬で治療されていた尋常性痤瘡の1例

著者: 河相美奈子1 藤澤章弘1 谷岡未樹1 宮地良樹1 江川美保2

所属機関: 1京都大学医学部大学院医学研究科皮膚科 2京都大学医学部大学院医学研究科産婦人科

ページ範囲:P.509 - P.512

文献概要

要約 20歳,女性.尋常性痤瘡の治療のため,17歳11か月時より,産婦人科医院にて1クール28日の経口避妊薬(レボノルゲストレル,エチニルエストラジオールの合剤およびプラセボ)を開始した.その後,痤瘡の改善が認められなかったが,2年以上内服を継続していた.20歳5か月時に,セカンドオピニオン目的に,当院産婦人科を受診し,皮膚科紹介受診となった.顔面の片側に紅色丘疹および膿疱を40個認め重症の尋常性痤瘡と診断した.経口避妊薬を中止し,より医学的エビデンスレベルの高い治療である0.1%アダパレンゲル,1%クリンダマイシンゲルの外用,およびミノサイクリン100mg/日の内服を行ったところ,治療開始後3か月で紅色丘疹および膿疱は著明に改善した.より医学的エビデンスレベルの高い標準治療を,医師の適正な管理の下で行うことの重要性を示す症例である.

参考文献

1) 林 伸和,他:日皮会誌 118:1893, 2008
2) Hayashi N, et al:J Dermatol 35:261, 2008
3) Arowojolu AO, et al:Cochrane Database of Syst Rev 3:CD004425, 2009
4) 相澤 浩:J Visual Dermatol 5:126, 2006
5) 荒木 淳,吉村浩太郎:Derma 170:83, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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