icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻8号

2012年07月発行

文献概要

症例報告

好酸球浸潤を伴う持続性紅斑,丘疹を呈した成人Still病の1例

著者: 吉田憲司1 小田俊輔1 高田裕子1 関東裕美1 石河晃1

所属機関: 1東邦大学医学部皮膚科学第一講座

ページ範囲:P.605 - P.609

文献購入ページに移動
要約 71歳,女性.全身倦怠感,38~39℃台の弛張熱,全身の掻痒を伴う浮腫性紅斑・丘疹と線状紅斑を主訴に受診した.血液検査で白血球,炎症反応上昇と軽度肝機能障害,フェリチン高値を認めた.感染症,悪性腫瘍,膠原病など他疾患を除外し,成人Still病と診断した.入院後,皮疹は発熱と消長を共にせず持続性であり,また,末梢血中好酸球増多を認めた.皮膚生検では表皮上層の個細胞壊死,液状変性,真皮浅層血管周囲性にリンパ球,好中球と多数の好酸球浸潤を認め,当初薬疹を考えた.しかし,薬剤を変更,中止するも皮疹に著変なく,成人Still病に伴う非定型疹と診断した.Persistent papules and plaquesは非定型疹の1つであり,自験例では好酸球増多を伴い特異であった.これまでに自験例と酷似する臨床像を呈し,好酸球増多を伴った成人Still病の報告があり,非定型疹の一亜型である可能性があると考えられる.

参考文献

1) Yamaguchi M, et al:J Rheumatol 19:424, 1992
2) Ohta A, et al:J Rheumatol 17:1058, 1990
3) 大田明英,他:診断と治療 79:2658, 1991
4) Lübbe J, et al:Br J Dermatol 141:710, 1999
5) Lee JY, et al:J Am Acad Dermatol 52:1003, 2005
6) 渡会 晃,他:皮膚臨床 52:1243, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?