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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻8号

2012年07月発行

文献概要

症例報告

末梢血好酸球増多を伴わず,後頭部に生じた木村病の1例

著者: 茶谷彩華1 田村舞1 山本奈緒1 岡部圭介2 宇月美和3 畑康樹1

所属機関: 1済生会横浜市東部病院皮膚科 2済生会横浜市東部病院形成外科 3済生会横浜市東部病院病理科

ページ範囲:P.610 - P.614

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要約 56歳,男性.3年前より除々に増大する左後頭部の皮下腫瘤を自覚した.初診時,60×45mm大,圧痛を伴わない弾性硬の皮下腫瘤を認めた.病理組織像にて大小のリンパ濾胞様構造を呈し,濾胞間および内部に好酸球が浸潤していた.リンパ濾胞様構造を構成する細胞に明らかな異型細胞および免疫グロブリン軽鎖のモノクロナリティーを認めず,全身検索でも明らかな他臓器病変はなかった.経過中,末梢血好酸球増多を伴わなかったが,病理組織像のリンパ濾胞様構造,好酸球浸潤所見より木村病と診断した.自験例は後頭部とまれな部位に生じ,経過中,末梢血好酸球増多を伴わなかったことより,単発性に生じ,病理組織像にてリンパ濾胞様構造を呈するCastleman病硝子血管型(孤立性)との鑑別を要した.

参考文献

1) 鈴木正二,他:明海大学歯学雑誌 21:203, 1992
2) 石井正則:耳鼻展望 25:407, 1982
3) 渡辺晋一,他:日皮会誌 93:1513, 1983
4) 東野俊英,他:日皮会誌 120:745, 2010
5) 坂東真弓,他:臨皮 45:561, 1991
6) Song JJ, et al:Eur Arch Otorhinolaryngol 263:160, 2006
7) 中塚信一,他:Phama Medica 27:93, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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