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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻8号

2012年07月発行

文献概要

症例報告

ケラトアカントーマを伴ったMuir-Torre症候群の1例

著者: 佐藤之恵1 大内結1 三浦圭子2 佐藤友隆1

所属機関: 1国立病院機構東京医療センター皮膚科 2東京医科歯科大学病理部

ページ範囲:P.621 - P.626

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要約 66歳男性.3か月前より左顔面に腫瘤を自覚した.徐々に増大するため当科を受診した.病理組織学的に低悪性度脂腺癌と診断した.その後も顔面に2か所の皮膚腫瘍が出現したため,切除し,病理組織で低悪性度脂腺癌と脂腺分化のあるケラトアカントーマと診断した.下部内視鏡検査で多発する大腸ポリープを認めた.既往歴に喉頭癌,胃悪性リンパ腫があり,家族歴で兄が,大腸癌に罹患しており,Muir-Torre症候群と診断した.Muir-Torre症候群に生じる皮膚腫瘍の病理組織の特徴について文献的に考察した結果,自験例はその特徴にあてはまっており,また,免疫組織染色法による診断は今後有用だと考えた.

参考文献

1) 滝脇弘嗣:最新皮膚科学大系,第12巻,中山書店,p156, 2002
2) Muir EG, et al:Br J Sung 54:191, 1967
3) Torre D:Arch Dermatal 98:549, 1968
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10) Machin P, et al:J Cutan Pathol 29:415, 2002
11) 大島 昇,他:日皮会誌 121:31, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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